私が一押しの本は、文芸社より2011年に出版された「アメリカ陰謀論の真相」です。著者はアメリカ現代史研究家の奥菜秀次氏です。本書では世界的な事件に噂される数々の陰謀説を論破・打破していきます。いわゆる陰謀論本ではなく、むしろ陰謀説を具体的な証拠と理論で否定してゆくという大変興味深い本です。例えば、陰謀説ではケネディ大統領暗殺事件の背後には、CIAやマフィアの関与が噂されていましたが、本書ではやはりリー・ハーベイ・オズワルドの単独犯行だったとする具体的な証拠をあげ、従来の陰謀説を理詰めで潰してゆくあたりが、面白いです。他にもタイタニック号がすり替えらていたという話や、9・11米同時多発テロが米国の自作自演だったとする陰謀論なども本書では完全に否定してゆくのですが、兼ねてから陰謀論に興味のあった私には目から鱗の一冊でした。根拠のない陰謀説をまことしやかに脚色し、エンターテインメントとして売る本は多いですが、本書はそれらの陰謀説を一刀両断してゆくあたりが、実に痛快でした。陰謀説、あるいは定説、どちらを支持するかはその人の自由ですが、歴史的な事件や事故に多少なりとも興味のある方にはオススメです!